令7問4類-7反
★★☆ (標準)
過去5回の結果:
AがBから弁済の期限の定めなく金1,000万円を借り入れる金銭消費貸借契約(以下この問において「本件契約」という。)に関する次の記述において、民法の規定及び判例により正誤を答えよ。
BがAに対する過失による人身事故の不法行為に基づき金1,000万円の損害賠償債務を負っている場合、被害者であるAの側から当該損害賠償請求債権を自働債権として貸金返還債務と相殺することは可能である。
💡 解説
民法509条による不法行為債権等の相殺禁止規定は「加害者からの相殺」を禁止するものです。被害者の側が不法行為損害賠償請求債権を自働債権とし、自らの負っている債務を受動債権として相殺を主張することは制限されません。したがって、被害者Aが相殺を行うことは可能であり、問題の記述は正しいです。
📜 根拠条文
【民法 第509条】
次に掲げる債務の債務者は、相殺をもって債権者に対抗することができない。
一:悪意による不法行為に基づく損害賠償の債務
二:人の生命又は身体の侵害による損害賠償の債務
📌 関連知識
【相殺が禁止される不法行為債権の範囲】
改正民法により、加害者からの相殺が禁止されるのは①「悪意による不法行為(物損・人身問わず)」および②「人の生命・身体の侵害(過失・悪意問わず)」に基づく損害賠償債務です。過失による「物件事故(物損)」の場合は例外的に加害者からの相殺も認められます。