令7問4類-8
★★☆ (標準)
過去5回の結果:
AがBから弁済の期限の定めなく金1,000万円を借り入れる金銭消費貸借契約(以下この問において「本件契約」という。)に関する次の記述において、民法の規定及び判例により正誤を答えよ。
Bの過失による自動車事故によってAの所有する建物(物)のみが破壊された場合、加害者BはAに対する不法行為損害賠償債務を、Aに対する本件契約に基づく貸金債権と相殺することができる。
💡 解説
過失による不法行為であっても、損害が「物損(財産権の侵害)」にとどまる場合、悪意による不法行為にも人身損害にも該当しないため、民法509条の相殺禁止規定の対象外となります。したがって、過失による物損事故の加害者Bは、自らの損害賠償債務(受動債権)とAに対する貸金債権(自働債権)を相殺することができます。したがって、問題の記述は正しいです。
📜 根拠条文
【民法 第509条】
次に掲げる債務の債務者は、相殺をもって債権者に対抗することができない。
一:悪意による不法行為に基づく損害賠償の債務
二:人の生命又は身体の侵害による損害賠償の債務
📌 関連知識
【過失による物損と相殺】
民法509条は、悪意による不法行為および人身損害のみを相殺禁止の対象としています。そのため「単なる過失による物損事故」の加害者は、受動債権が物損損害賠償債務であっても相殺を行うことが可能です。