1)意思表示
・意思表示とは、一定の法律効果を発生させるために、意思を外部に対して表示する行為のことをいいます。また、法律で定められた権利や義務が発生したり消滅したりすることをいいます。※相手に騙された場合、取消可能(善意の第三者へは対抗不可)
※第三者に騙された場合、相手が悪意なら取消可能(善意の第三者へは対抗不可)
①脅迫:他人に害悪を告知し、他人に畏怖を与えることにより、他人に真意に反した意思表示を行なわせようとする行為である。※相手に騙された場合、取消可能(善意の第三者へは対効可)
※第三者に騙された場合、取消可能(善意の第三者へは対抗可)
②虚偽表示:本人が相手方と通じて、虚偽の意思表示をすることを「虚偽表示」といい、民法では虚偽表示にもとづく法律行為を原則として無効としている。
※無効(善意の第三者へは対抗不可)
③心裡留保とは、冗談やうそで(本人は知っている)
※原則:有効
※例外:相手が悪意または有過失の場合、無効
④錯誤(勘違い)
★無効主張の要件=①要素の錯誤があること。②重過失がないこと。
★善意の第三者との関係=無効を主張できる。
※原則:無効
※例外:重過失がある場合、無効を主張できない。
⑤公序良俗違反:公の秩序、または善良の風俗に反する事項を目的とする法律行為は無効とされている
※反社会的な契約:無効(善意の第三者へは対抗可)
意思表示内容 | 効果 | 善意の第三者 | |
詐欺 | 相手にだまされた | 取消し可能 | 対抗不可 |
第三者にだまされた | 相手が悪意なら 取消し可能 |
||
虚偽表示 | 相手とぐるになった | 無効 | 対抗不可 |
脅迫 | 相手に脅された | 取消し可能 | 対抗可 |
第三者に脅された | |||
錯誤 | 勘違い | 原則:無効 例外:重過失があると 無効を主張できない |
対抗可 |
心裡留保 | うそや冗談を言った | 原則:無効 例外:相手が悪意または有過失の場合は、無効 |
✘ |
公序良俗違反 | 反社会的な契約 | 無効 | 対抗可 |
制限行為能力 | 制限行為能力者の行為 | 取消し可能 | 対抗可 |
2)制限行為能力
・制限能力者とは、「制限行為能力者」とも呼ばれ、自らの意思に基づいて判断ができない、または法律行為をすることのできない者のこと。 民法20条では、「制限能力者」は具体的に未成年者、成年被後見人、被保佐人、同意権付与の審判を受けた被保佐人としている
※制限行為能力者の行為:取消し可(善意の第三者へは対抗可)
①未成年者:満18歳をもって成人とされ(民法4条)、17歳までを未成年者と言います。 未成年者は、制限行為能力者とされ、その利益を保護するために、保護者などの法定代理人の同意を得ずにした契約は、未成年者自身又は法定代理人が取り消すことができます。
※単独では有効な法律行為をすることができない
例外)①保護者の同意を得た場合。②単に権利を得(贈与を受ける)義務を免れる行為(債務の免除)③処分を許された財産の処分③営業の許可を受けた営業上の行為
②成年後見人:精神上の障害により判断能力を欠くとして、家庭裁判所から後見開始の審判を受けた人と定義されています。
※単独では完全に有効な法律行為をすることができない
例外)日用品の購入その他日常に関する行為は単独で有効に行為することができる。
③被保佐人:家庭裁判所の審判により、一定の法律行為をするに当たって、保佐人のサポートを受ける必要があるとされた者をいいます。 保佐が開始されるのは、本人やその家族などから申立てを受けた家庭裁判所の判断により、本人が「精神上の障害により事理を弁識する能力が著しく不十分」の状態にあると認められた場合です。
※単独では有効な法律行為をすることができる。
④被補助人:精神上の障害があるために、補助人を付けられた者のこと。 精神上の障害により物事を判断する能力が不十分である者について、家庭裁判所は、本人・配偶者・親族などの請求に基づいて審判を行ない補助開始の決定をし、補助人を職権で選任する
※単独では有効な法律行為をすることができる。
例外)家庭裁判所の審判で定められた特定の行為のみ、単独で法律行為ができない。(補助人の同意が必要)
【制限行為能力者まとめ】
未 成 年 者 |
原則 | 単独では有効な法律行為(契約)をすることができない |
例外 | ①保護者の同意を得て行った場合 ②単に権利を得(贈与を受ける)、義務を免れる行為(債務の免除) ③処分を許された財産の処分(小遣い) ④営業の許可を受けたその営業上の行為 |
|
成 年 被 後 見 人 |
原則 | 単独では完全に有効な法律行為(契約)をすることができない |
例外 | 日用品の購入その他日常的に関する行為は、単独で有効に行為をすることができる | |
被 保 佐 人 |
原則 | 単独で有効な法律行為(契約)をすることができる |
例外 | 財産上重要な行為については単独で法律行為(契約)をすることができない(保佐人の同意が必要) 財産上重要な行為とは、 ①元本を領収し、または利用すること ②借金をしたり、保証人になったりすること、 ③不動産または重要な財産の取引(売買等) ④新築、増改築または大修繕をすること ⑤相続の承認・放棄または遺産分割をすること ⑥宅地5年、建物3年を超える期間の賃貸借契約をすること等 |
|
被 保 佐 人 |
原則 | 単独で有効な法律行為(契約)をすることができる |
例外 | 家庭裁判所の審判で定められた特定の行為のみ、単独で法律行為(契約)ができない(補助人の同意が必要) |
【保護者の権限】
制限行為能力者 | 保護者 | 同意権者 | 取消権 | 追認権 | 代理権 |
未成年 | 親権者
未成年後見人 |
〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
成年被後見人 | 成年後見人 | ✘ | 〇 | 〇 | 〇 |
被保佐人 | 保佐人 | 〇 | 〇 | 〇 | ▲ |
被補助人 | 補助人 | ▲ | ▲ | ▲ | ▲ |
〇は権限が有り ▲は家庭裁判所の審判により付与することができる
【制限行為能力者の相手方の保護】
制限行為能力者の詐術 | 制限行為能力者が、行為能力者だと信じさせるために詐術を用いたときは、取消権は認められない。 |
法定追認 | 追認できるものが、下記の行為等をしたときは、法律上、追認したものとみなされる ①自分から契約の履行をすることと ②相手方に履行を請求すること |
3)代理
①顕名
原則 | 代理人自身のためにしたものとみなされる。 代理人・相手方に契約が成立する |
例外 | 相手方が悪意、有過失の場合は、本人・相手方間に契約が成立する |
②代理人が詐欺等にあった場合の効果
詐欺等の有無の判断 | 代理人を基準に判断 |
取消権を有する者 | 本人 |
③制限行為能力者も代理人になれる
制限行為能力者も代理人になれるが、制限行為能力を理由として、代理行為を取消すことはできない |
④自己契約、双方代理の禁止
原則 | 自己契約・双方代理禁止。 違反すると無権代理になる |
例外 | ①本人があらかじめ許諾した場合 ②債務の履行 |
※無権代理とは、契約した者に代理権がない場合
原則 | 代理人自身のためにした契約となる。本人に効果は帰属しない。 |
本人の追認 | 契約時に遡って有効になる |
例外)代理人が本人のために契約した時:相手方が悪意または(善意)有過失の場合、本人に契約の効果が帰属する。 |
【無権代理の相手方の保護】
種類 | 内容 | 効果 | 相手方の状態 |
催告権 | 追認するかどうか本人に催告することができる | 相当期間内に本人の確答がないときは追認を拒絶したものとみなされる | 悪意でも可 |
取消権 | 無権代理による契約を取消すことができる | 本人は、もはや追認できなくなる | 善意に限る(過失はあってもよい) |
無権代理人への責任追及 | 無権代理人に履行または損害賠償請求できる | 無権代理人に履行または損害賠償義務が生じる | 善意無過失に限る |
※表見代理
①代理権授与の表示による表見代理
・実際には代理権を与えていないにもかかわらず、本人が代理権を与えたと表示した場合
②権限外行為の表見代理
・本人に与えていた代理権の範囲外の行為をした場合
③代理権消滅後の表見代理
・本人が以前代理権を与えていたが、それが消滅していた場合
※復代理人
①復代理人を選任しても、代理人は代理権を失わない ②復代理人の権限は、代理人の権限を越えることはできない ③代理人の代理権が消滅すると、復代理人の代理権も消滅する |
※任意代理人と法定代理人
復代理人を 選任できる場合 |
復代代理人の行為に対する代理人の責任 | |
任意 代理人 |
①本人許諾を得たとき | 原則:復代理人の代理行為について選任・監督についての責任のみを負う
例外:本人の指名に従って復代理人を選任した場合は、復代理人が不適任または不誠実であることを知りながら、その旨を本人に通知しまたは復代理人を解任することを怠ったときに限り、本人に対して責任を負う |
②やむを得ない事由があると負うき | ||
法定 代理人 |
いつでも自由に復代理人を選任できる | 原則:復代理人の代理行為に関する全責任を負う
例外:やむを得ない事由により復代理人を選任したときは、専任・監督責任のみ負う |
4)弁済
※債務者が本旨に従った給付を行って債権者を満足させることをいいます。
※第三者による弁済:利害関係のない第三者(債務者の親、兄弟や友人)は、債務者の意志に反して弁済することができない。しかし、利害関係を有する第三者は債務者の意志に反して弁済することができる。(例:物上保証人。抵当不動産の第三取得者など)
※第三者に対する弁済:弁済者が善意無過失で第三者に弁済した場合、その弁済は有効となる。
①債権の準占有者
②受取証書(領収書)の持参人
5)同時履行の抗弁権
・相手方が履行またはその提供しないときに、自らの債務の履行を拒むことができる権利のことです。相手方が履行するまでは自分も履行しないと主張することです。
6)相殺
・相殺とは、債権者が、自己の債権と同種の債務を債務者に対して負っている場合に、その債権と債務を対等額で消滅させることをいいます
7)債務不履行
・債務債務不履行(契約不履行)とは、 契約によって約束した義務を果たさないこと(守らないこと) をいいます。
※債務不履行の種類
①履行不能:履行が不可能になること。債務者に責めの帰すべき事由(故意または過失)があること。
②履行遅滞:履行が可能であること。債務者に責めの帰すべき事由(故意または過失)があること。履行期を過ぎること。
8)契約解除
・契約の解除とは、 契約当事者の一方の意思表示によって、契約の効力をさかのぼって消滅させること をいいます。 解除権には、解除の発生原因が、契約と法律のいずれに定められているものであるかによって、「約定解除権」と「法定解除権」の2種類に分けることができます
9)危険負担
・売買等の双務契約が成立した後に、一方の債務が債務者の責任がない事由(災害など)で目的物が滅失や損傷し、(物を引渡すという債務が)履行できなくなった場合に、そのリスクを当事者のいずれが負担するか、という問題で、民法ではこれに対する回答が明記されています。
10)担保責任
・瑕疵(通常備えているべき性質を欠いている状態)ある特定の物や権利などを給付した者は、これを取得した者に対して、その責任を負担すると言うものです。
11)手付
・売買契約・請負契約・賃貸借契約などの有償契約において、契約締結の際に、当事者の一方から他方に対して交付する金銭などの有償物のこと。
12)物件変動
・「物権変動」とは、契約やその他の原因によって、物権が発生したり、変更となったり、消滅したりすること。 例えば、AがBに土地を売却する場合、所有権がAからBに移転するような場合である。
13)抵当権
・ 抵当権とは、抵当権者が債務者又は物上保証人が占有したまま担保の目的とした不動産について、担保不動産競売や担保不動産収益執行(民執180条)をして、他の債権者に優先して自己の債権の弁済を受けることができる権利である。
※抵当権の目的となるのは、不動産の所有権のほか、地上権と永小作権である。
・物上代位
※物上代位の対象:保険金請求権、損害賠償請求権、賃料、売買代金
要件:金銭が抵当権設定者に支払われる前に、抵当権者がその請求権を差押えしなければならない。
・法定地上権
成立要件:①抵当権設定当時に、土地の上に建物が存在すること。(建物について登記がされている必要はない)
②抵当権設定当時に、土地と建物の所有者が同一人であること。
※抵当権設定後に、土地または建物のどちらかが譲渡され、土地と建物が別人の所有に属した場合。
③土地と建物の一方または両方に抵当権が存在すること。
④競売の結果、土地と建物の所有者が別々になること。
・一括競売
※更地に抵当権が設定された後、建物が築造された場合、抵当権者は、土地とともに建物を競売にかけることができる。
※優先的に弁済を受けることができるのは、土地の代価についてのみである。
・根抵当権
※根抵当権とは、一定範囲内の不特定の債権を極度額を限度として担保する目的で設定する抵当権を根抵当権という。
※付従性・随伴性について
①元本確定前:付従性・随伴性は無し
②元本顎堤後:付従性・随伴性有り
※被担保債権の範囲:確定した元本ならびに利息その他の定期金および債務不履行によって生じた損害賠償額の全部につき、極度額を限度として根抵当権を行うことができる。
★利息については、。最後の2年分との制限は無し。
14)保証
・保証とは「債務者(契約者)が債務を履行しない場合に、保証人がその履行を代わりに行う制度」です。 たとえばお金の貸し借りを例にすると、万が一借りた人がお金を返さなかった場合に、代わりに自身が返済する義務を負うケースが保証に該当します。
①保証債務の成立
・保証債務は、保証人と債権者との間で保証契約を締結することで成立します。
保証人は、主たる債務者から委託を受けていなくてもよく、さらに主たる債務者の意志に反して保証契約を締結することができます。
②保証契約は書面でしなければ効力を生じません。
【付従性】
・主たる債務が成立しない場合、保証債務も成立しません。
・主たる債務が消滅すると保証債務も消滅します。
・保証債務の内容が主たる債務より重い場合、保証債務は主たる債務の限度のみで成立します。
・主たる債務について生じた事由の効力は、原則として保証人にも及ぶ。例)主たる債務の消滅時効の中断は、保証人にもその効力は及ぶ。
【随伴性】
・主たる債務が移転すると、保証債務も移転します。保証人は新債権者に対して保証債務を負うことになる。
【補充性】
①催告の抗弁権
・債権者がいきなり保証人に請求してきた場合には、保証人は、まず主たる債務者に催告してくれと言って請求を拒むことができる。
②検索の抗弁権
・債権者が主たる債務者に催告した後でも、保証人が主たる債務者に弁済の資力があり、かつ、強制執行が容易であることを証明したときは、債権者は、まず主たる債務者の財産について執行しなければならない。
【保証債務の範囲】
①保証債務の範囲には、主たる債務に従たるもの(利息、違約金、損害賠償など)も含まれる。
②保証人は、保証債務についてのみ、違約金または損害賠償の額を定めることができる。
【分別の利益】
・保証人が数人いる場合を共同保証という。この場合、原則として、各保証人は主たる債務の額を保証人の頭数で割った額についてのみ保証債務を負担すればよい。
15)連帯債務
・連帯債務とは、当事者の意思表示や法律の規定により、1つの債権(債務)について、複数の債務 者(連帯債務者)が各自独立して、それぞれ債務の全額を負担する債務をいう。 債権者は連帯債務者の誰に対しても、全額の請求ができる。
※原則:連帯債務者の1人に生じた事由は、他の連帯債務者に影響しない。
例外)他の連帯債務者に影響する場合:①履行②請求③更改④混同⑤時効⑥免除(時効や免除は負担部分にのみ影響する)
保証と連帯債務の比較 | 保証 | 連帯保証 |
催・検索の抗弁権 | ● | ✘ |
分別の利益 | ● | ✘ |
主たる債務者に生じた事由 | 保証人に及ぶ | 連帯保証人に及ぶ |
保証人、連帯保証人に生じた事由 | 原則:主たる債務者には及ばない 例外)履行・相殺は及ぶ |
原則:主たる債務者には及ばない 例外)履行・相殺・請求・混同・更改は及ぶ |
16)賃貸借
・賃貸借とは,当事者の一方(賃貸人)がある物を相手方(賃借人)に使 用・収益させ,借主がその賃料を支払うことを約束する契約です。
17)借地借家法(借地・借家)
・借地借家法は、民法の特別法として平成4年に施行された法律です。 建物の所有を目的とする土地の賃借権(借地権)の存続期間・効力、及び建物の賃貸借の契約の更新・効力等に関する規定が置かれており、民法に優先して適用される法律となっています。
18)時効
・ある出来事から一定の期間が経過したことを主な法律要件として、現在の事実状態が法律上の根拠を有するものか否かを問わず、その事実状態に適合する権利または法律関係が存在すると扱う制度、あるいはそのように権利または法律関係が変動したと扱う制度をいう。
【債権の消滅時効】
消滅時効の起算点 | 時効期間 | |
①確定期限付債権 | 期限到来の時から | 10年間 |
②不確定期限付債権 | 期限到来の時から | 10年間 |
③期限の定めがない債権 | 債権成立の時から | 10年間 |
【時効の中断】
①裁判上の請求(訴え提起等)
②差押え・仮差押え・仮処分
③催告(裁判外請求)
④承認
19)不法行為
・故意(わざと)または過失(不注意)により違法に他人に損害を与えた行為をいう。 不法行為では、被害者は加害者に対して、損害賠償請求権を取得する。
1)不法行為
不法行為による損害賠償債務が履行遅滞になる時期 | 不法行為の時(損害発生時) |
不法行為による損害賠償請求の消滅時効期間 | ①被害者またはその法定代理人が損害および加害者を知った時から3年間 ②不法行為の時から20年間 |
2)使用者責任
意味 | 使用者は、被用者が事業の執行につき第三者に加えた損害を賠償する責任を負う |
要件 | 使用者責任が成立するには、被用者に不法行為が成立することが必要 |
効果 | 被害者は、使用者にも損害賠償を請求することができる。 被害者に損害を賠償した使用者は、被用者に求償することができる。 |
3)共同不法行為
数人が共同の不法行為により他人に損害を与えた場合、それらの者は連帯して被害者に損害賠償の責任を負う。
4)工作物責任
損害賠償の責任を負う順番 | 損害の発生を防止するのに必要な注意をしたとき | |
占有者 | 第一次的 | 責任を負わない(過失責任) |
所有者 | 第二次的 ※占有者が責任を負わない場合 |
責任を負う(無過失責任) |
20)相続
・民法では,人が死亡すると,その人の財産は相続人に承継されることとされ ています。 承継される財産には,預貯金や不動産などの積極財産だけでなく, 銀行に対するローンなどの債務(消極財産)も含まれます。
①法定相続人
※配偶者(常に相続人)
・第一順位:被相続人の子(胎児を含む)。実子と養子と被摘出子との間に順位の差はない。
・第二順位:被相続人の直径存続。親等の近い者が優先する。
・第三順位:被相続人の兄弟姉妹。
②法定相続分
※配偶者と子
・配偶者は2分の1。
・子も2分の1。(養子、胎児を含む)の相続分は平等。日摘出子は摘出子の2分の1
※配偶者と直径存続
・配偶者は2分の1
・直径存続は3分の1(直径存続の相続分は平等)
※配偶者と兄弟姉妹
・配偶者は4分の3
・兄弟姉妹は4分の1(兄弟姉妹の相続分は平等。片親の違う兄弟姉妹は他の者の2分の1)
③相続の承認、放棄
・時期:承認・放棄は相続開始を知った時から3ケ月以内にしなければならない。期間内に限定承認・放棄をしなかった場合、単純承認とみなされる。相続開始前の放棄は認められない。
・方法:限定承認・放棄は家庭裁判所へ申述しなければならない。相続人が複数ある場合の限定承認は、共同相続人の全員が共同して行わなければならない。
・相続の承認・放棄の撤回は原則できない。
④遺言
・遺言能力:満15歳に達した者は遺言をすることができる。行為能力は不要。
・遺言の撤回:遺言はいつでも撤回できる。前の遺言が後の遺言と抵触するときは、抵触部分については、後の遺言で前の遺言を撤回したとみなされる。
⑤遺留分の分割
・配偶者のみ。子のみ。配偶者と子。配偶者と直径尊属。:被相続人の財産の2分の1
・被相続人の財産の3分の1:直径尊属のみ
21)不動産登記法
・民法等で生じた土地や建物(不動産)についての権利や法律関係を不動産登記簿に記録するための登記の手続について定められた手続法です。
22)共有
・所有権を共同で保有していることを指します。 最近では、社会の男女平等が進み、夫婦で対等に自宅を共有するなど、共同所有権を選択する人が増えています。
共 有 物 全 体 |
例 | 方法 | |
保存行為 | ・共有物の修繕を行うこと ・不法占拠者への明渡しを請求すること |
各共有者は1人でできる | |
管理行為 | ・共有物を第三者に貸すこと ・共有物の賃貸借を解除すること |
各共有者の持分価格の半数の賛成で行う | |
変更行為 | ・共有物を第三者に売却すること ・共有物の建替え・増改築 |
共有者全員の同意が必要 | |
持分 | 処分 | ・持分の売却 ・持分に抵当権を設定すること |
各共有者は1人でできる |
※
①共有者が死亡して、特別縁故者に対して財産分与がされない場合、その者の持分は、他の共有者に帰属する。
②共有者が持分を放棄した場合、その者の持分は、他の共有者に帰属する。
23)区分所有法
・主に一棟の建物を区分して所有権の対象とする場合の、各部分ごとの所有関係を定めるとともに、そのような建物およびその敷地等の共同管理について定めた法律です。
※決議要件
単独 | 保存行為 | 規約で別段の定めができる |
行為の停止の請求 ※訴訟外 |
規約で別段の定めができない | |
小規模滅失の場合の復旧 | ・復旧・建て替えの決議があったときを除く ・規約で別段の定めができる |
|
5分の1以上 | 集会の招集 | 規約で減じることができる |
過半数 | 管理行為 | 規約で別段の定めができる |
軽微な変更 | ||
行為の停止等の請求訴訟 | ||
小規模滅失の場合の復旧の決議 |
4分の3以上 | 重大変更 | 区分所有者の定数のみ、規約で過半数まで減じることができる |
管理組合の法人化 | 規約で別段の定めができない | |
規約の設定・変更・廃止 | ||
専有部分の使用禁止請求訴訟 | ||
専有部分および敷地利用権の競売請求訴訟 | ||
占有者に対する契約解除・引渡請求訴訟 | ||
大規模滅失の場合の復旧決議 | ||
5分の4以上 | 建替え |
24)請負
・当事者の一方がある仕事を完成することを約し、相手方がその仕事の結果に対してその報酬を支払うことを約する 契約である。
25)委任
・当事者の一方が法律行為をすることを相手方に委託し、相手方がこれを承諾することによって、その効力を生じる契約 です。
26)贈与
・当事者の一方がある財産権を相手方に無償で移転する意思を表示し、相手方がそれを受諾する意思を表示し、双方の意思が合致することによって成立する契約である。
27)使用貸借
借主が貸主から目的物を無償で借りて使用収益し、後にその目的物を貸主に返還する契約をいう(民法593条以下)。 借主は契約に返還時期の定めがあるときはその時期に、その定めがないときは契約に定めた目的に従い使用収益を終えたとき等に、 目的物を返還しなければならない。
28)担保物件
・債権を保全するために、債権者が債務者(または物上保証人)から物を受け取って占有し、債務が弁済されなかったときにはその物を売却して、その売却価額から債権の弁済を受けることができるという担保物権のこと。
29)条件
・契約等の法律行為の効力を、発生するかどうか不確実な事実にかからせる特約のことをいいます。 条件には、契約等法律行為の効力の発生に係らしめる「停止条件」と、契約等の法律行為の効力の消滅に係らしめる「解除条件」があります。
30)債権譲渡
・債権者が持つ債権を、その内容をまったく変えずに第三者に移転する行為のことです。 債務者にとっては、債務の弁済相手がこれまでの債権者(債権譲渡人)から、直接取引を行っていない第三者(譲受人・新債権者)に変わることになります。
1)宅建業・宅建業者
・宅地建物取引業とは、「宅地」や「建物」の「取引」を「業」として行うことです。
重要:宅地の意味
※現在、建物が建っている土地。用途地域の土地(道路、公園、河川、広場、水路の土地は除く)。
・取引とは、自ら当事者として売買、交換を行う。他人間の契約を代理(媒介)して売買、交換、貸借を行う。
・業とは、不特定多数の者を相手として、反復継続して行うことを言います。
重要:免許を受けずに宅建業を営むことができる者
①国・地方公共団体
②信託会社・信託業務を兼営する金融機関
2)免許
・宅建業の免許は「都道府県知事」または「国土交通大臣」から受けます。
どちらの免許を受けるかは、「事務所の場所」で決まります。
【免許の種類】
①一つの都道府県内でのみ事務所を設ける場合は、その都道府県知事の免許
②2つ以上の都道府県内で事務所を設ける場合は国土交通大臣の免許
宅建業法上の事務所とは、
①本店(主たる事務所)
②支店(従たる事務所)
※本店は常に事務所として扱われます。
重要:成年後見人、被保佐人、破産者で復権を得ない者は、免許を受けることができません。
免許取り消し処分を受け、その取消の日から5年を経過しない者は、免許を受けることができません。また、犯罪の種類を問わず禁固刑以上の刑に処せられた者は5年を経過しない者は免許を受けられません。免許の有効期間は5年です。有効期間満了の日の90日から30日前までに、免許の更新の申請をする必要があります。
【廃業の届出】
・法人である宅建業者が合併により消滅した場合は、消滅した法人の代表役員であった者。
・宅建業者が破産手続開始の決定を受けた場合は、破産管財人。
・法人である宅建業業者が合併・破産以外の理由で解散した場合は、清算人が。
・宅建業者が廃業した場合は、宅建業者であった個人または法人の代表者がその日から(死亡の場合は、相続人が死亡の事実を知った日から)30日以内に、免許権者に届なければならない。
3)宅地建物取引士 設置
4)営業保証金制度
※営業保証金制度は、営業上のトラブルや事故があった時のためにお金を預けておく制度です。
これを営業保証金制度の供託といいます。
宅建業者と取引をしたお客様が、トラブルや事故からお金で解決する仕組みで、営業保証金から支払いを受けます。これを営業保証金の還付といいます。
宅建業者が廃業したり、免許の取消を受けた場合に営業保証金を供託しておく必要がなくなりますので、宅建業者は供託所から営業保証金を返してもらう必要があります。これを営業保証金の取り戻しといいます。
【重要】
・営業保証金の額:主たる事務所につき1000万円、その他の事務所につき1か所ごとに500万円の合計になります。
※営業保証金は、金銭で供できるほかに、国債等の有価証券によっても供託することができます。
①国際証券は額面金額の100%
②地方債証券・政府保証債証券は額面の90%、その他の債権は80%に評価されます。
・営業保証金の供託場所は、主たる事務所の最寄りの供託所です。
・宅建業者は、営業保証金を供託し、その旨を届出をした後でなければ、その事務所で事業を開始してはならない。
5)保証協会・弁済業務保証金制度
保証協会は、宅建業者のみを社員とする団体です。宅建業者は保証協会の社員になります。
※宅建業者は複数の保証協会の社員になることはできません。
・保証協会に加入しようとする宅建業者は、その加入しようとする日までに、弁済保証金分担金を保証協会に納付しなければなりません。主たる事務所につき60万円、その他の事務所1ケ所ごとに30万円の合計です。
※新たに事務所を設置したときは、その日から2週間以内にその事務所の弁済業務保証金分担金を保証協会に納付しなければなりません。もし、納付を怠った場合は社員の地位を失うことになります。
※保証金の還付手続き:弁済業務保証金から還付を受けようとする者は、保証協会の認証を受ける必要があります。
6)媒介契約・代理契約
・媒介契約の種類は2つに分かれます。依頼者が他の宅建業者にすることができるかどうかで、2つに分かれます。
①一般媒介(他に依頼ができる)
②専任専属媒介(自己発見取引の禁止):有効期間は3ケ月です。(自動更新はできません)
7)広告に関する規制
:過大広告、おとり広の禁止
8)説明義務
【説明の義務】
★35条重要事項説明書
※説明不要:①代金・交換差金・借賃の額・支払時期・支払方法
②登記・引渡しの時期
9)契約に関する規制
※宅建業者は、宅地造成・建物建築に関する工事の完了前においては、当該工事に必要とされる開発許可・建築確認等の処分があった後でなければ、工事に係る宅地建物につき、自ら当事者として、または当事者を代理して売買・交換契約を締結したり、売買、交換契約の媒介をしてはならない。
※宅建業者は、業務上、相手方に対して手付を貸付その他の信用を供与して、契約の締結を誘引してはならない。
※宅建業者は、売買・交換・賃貸借契約の成立後、地帯なく契約の当事者に契約内容を記載した書面(37条書面)を交付しなければならない。
※37書面の記載事項
①当事者の氏名・住所
②物権を特定するために必要な表示
③代金・交換差金・借賃の額およびその支払い時期・方法
④物件の引渡し時期
⑤移転登記の申請時期(貸借は除く)
10)業務上の規制
①従業者証明制度②従業者名簿
1)宅建業者は、事務所ごとに従業者名簿を備え、従業者の氏名、住所、従業者証明番号、取引士であるかどうか否かの別を記載しなければならない。
2)宅建業者は、取引の関係者から請求があったときはこの従業者名簿を閲覧させなければならない。
3)宅建業者は、従業者名簿を最終の記載をした日から10年間保存をしなければならない。
★帳簿の備え付け
1)宅建業者は、事務所ごとに業務に関する帳簿(取引台帳)を備え、宅建業に関し取引のあったつど、その年月日、取引物件の所在・面積などの事項を記載しなければならない。
2)帳簿は、各事業年度の末日に閉鎖し、その後5年間(当該宅建業者が自ら売り主になる新築住宅に係るものは10年間)保存しなければならない。
★標識の掲示
・標識の掲示義務がある場所
・事務所
・営業所・出張所(継続的に業務を行うことができる施設を有する場所で事務所以外の場所)
・一団(10区画以上または10戸以上)の宅地建物の分譲を行う場合の案内所
・他の宅建業者が行う一団の宅地建物の分譲を代理・媒介する場合に設置する案内所。
・業務に関し、展示会その他これに類する催しを実施する場所
・一団の宅地建物を分譲する場合における当該宅地建物の所在する場所。
・案内所の届出
・宅建業者は、事務所以外の専任の宅地建物取引士を設置する義務がある場所について、一定事項を業務開始の10日前までに、免許権者およびその業務を行う場所の所在地を管轄する都道府県知事に届け出なければならない。
11)自ら売主制限
・8種制限
①クーリングオフ制度
・クーリングオフとは、一定の契約に限り、一定期間、説明不要の無条件で申し込みの撤回または契約を解除できる法制度です。
※クーリングオフできない場所
・宅建業者の事務所
・専任の宅地建物取引士を設置すべき場所(営業所、出張所、宅建業者が設置する10区画以上、一団の宅地10戸以上の案内所)
・宅建業者の相手方の自宅・勤務する場所
・宅建業者が申し込み等を行うことができる旨およびその方法を書面で告知した日から起算して8日間を経過したとき
・買主が宅地建物の引渡しを受け、かつ、代金の全額を支払ったとき
・クーリングオフは、書面で行わなければならず、その書面を発した時に、効果が生じる。
②自己の所有に属しない宅地建物の売買契約制限
③瑕疵担保責任の特約の制限
④損害賠償額の予定等の制限
⑤手付額の制限等
⑥手付金等の保全措置
⑦割賦販売契約の解除等の制限
⑧所有権留保の禁止
12)報酬に関する規制
・売買の媒介・代理の報酬計算
①代金額が200万円以下の場合、代金額×5%
②代金額が200万円超400万円以下の場合、代金額×4%+2万円
③代金額が400万円超の場合、代金額×3%+6万円
13)監督・罰則
14)住宅瑕疵担保履行法
・宅建業者が自ら売り主となる売買契約において、原則として民法で認められた瑕疵担保責任の規定により買主には不利な特約をしてはならない。ただし、瑕疵担保責任を負う期間を引渡しの日から2年以上とする特約は認められる。
★損害賠償額の予定
・宅建業者が自ら売り主となる宅地建物の売買契約において、当事者の債務不履行を理由とする契約解除にともなう損害賠償を予定し、または違約金を定めるときは、これらを合算した額が代金の10分の2を超える予定をすることはできない。これに違反して、10分の2を超える定めをしたときは、超える部分について無効になる。
・宅建業者が自ら売り主となる宅地建物の売買契約の締結に際して手付を受領したときは、解約手付となる。代金額の10分の2以上を超える額の手付を受領することはできない。
・宅建業者は、自ら売り主となる宅地建物の売買契約においては、原則として、保全措置を講じた後でなければ、買主から手付を受領してはならない。
・手付金等の保全措置が不要な場合
①工事完了前の未完成物件の場合は、代金の5%以下、かつ、1000万円以下であるとき。
②工事完了後の完成物件の場合は、代金の額の10%以下、かつ、1000万円以下であるとき。
③買主に所有権移転登記がされたとき、または買主が所有権を登記したとき。
※1件の取引における報酬の合計限度額は基本式の2倍まで。
1 都市計画法
【都市計画法の内容】
・開発行為の規制
・都市計画制限等
・用途規制
・建蔽率
・容積率
・高さ制限
・防火・準防火地域
・単体規定
・建築確認
・建築基準法総合
・国土利用計画法
・農地法
・土地区画整理法
・その他法令上の制限
いずれも土地の利用に対して制限を加えるという性質があります
★都市計画
・都市計画区域とは、都市計画法という法律によって、都道府県知事や国土交通大臣が指定するエリアのことで、市街化区域と市街化調整区域、非線引き区域に分けられます
都市計画区域の他には、都市計画区域外と準都市計画区域があります
・準都市計画区域とは、準都市計画区域とは、都市計画区域に指定する要件を満たしていない等の理由で都市計画区域外にあるが、将来的に市街化が見込まれる区域の土地利用をあらかじめ規制し、将来的に一体の都市として総合的に整備・開発・保全されることを目的として都道府県が指定する区域のことを言います
※準都市計画区域に定めることができる都市計画
①用途地域
②特別用途地域
③特定用途制限地域
④高度地区
⑤景観地区
⑥風致地区
⑦緑地保全地域
⑧伝統的建造物群保存地区
・区域区分とは、都市計画区域について、無秩序な市街化を防止し、計画的な市街化を図るため必要があるときに定める市街化区域と市街化調整区域との区分のことをいいます。 区域区分は別名で線引きとも呼ばれています
・市街化区域とは、都市計画区域内ですでに市街地を形成している区域及びおおむね10年以内に優先的かつ計画的に市街化を図る区域のことです
・市街化調整区域とは、市街化を抑制すべき区域のことで、開発行為は原則として禁止されています なお、市街化区域には用途地域が必ず指定されています
★用途地域
①第一種低層住居:低層住宅に係る良好な住居の環境を保護するため定める地域
②第二種低層住居専用地域:主として低層住宅に係る良好な住居の環境を保護するため定める地域
③第一種中高層住居専用地域:中高層住宅に係る良好な住居の環境を保護するため定める地域
④第二種中高層住居専用地域:主として中高層住宅に係る良好な住居の環境を保護するため定める地域
⑤第一種住居地域:住居の環境を保護するため定める地域
⑥第二種住居地域:主として住居の環境を保護するため定める地域
⑦準住居地域 国道:道路の沿道としての地域の特性にふさわしい業務の利便の増進を図りつつ、これと調和した住居の環境を保護するため定める地域
⑧近隣商業地域:近隣の住宅地の住民に対する日用品の供給を行うことを主たる内容とする商業その他の業務の利便を推進するため定める地域
⑨商業地域 :主として商業その他の業務の利便を増進するため定める地域
⑩準工業地域 :主として環境の悪化をもたらすおそれのない工業の利便を増進するため定める地域
⑪工業地域 :主として工業の利便を増進するため定める地域
⑫工業専用地域 :工業の利便を増進するため定める地域
●特別用途地区とは、用途地域内の一定の地区における当該地区の特性にふさわしい土地利用の増進、環境の保護等の特別の目的の実現を図るため、当該用途地域の指定を補完して定める地区。
●高層住居誘導地区とは、住居と住居以外の用途とを適正に配分し、利便性の高い高層住宅の建設を誘導するため、第一種住居地域、第二種住居地域、準住居地域、近隣商業地域または準工業地域で一定の容積率が指定されている地域において定められる地区
●高度地区とは、用途地域内において市街地の環境を維持し、又は土地利用の増進を図るため、建築物の高さの最高限度又は最低限度を定める地区である
●高度利用地区とは、用途地域内の市街地における土地の合理的かつ健全な高度利用と都市機能の更新とを図るため、建築物の容積率の最高限度及び最低限度、建築物の建ぺい率の最高限度、建築物の建築面積の最低限度並びに壁面の位置の制限を定める地区である。
●特定街区とは、市街地の整備・改善を図ることを目的に、ある街区において、既定の容積率や高さの最高限度、及び壁面の位置の制限を定める街区
●都市施設は、都市計画区域外に定めることができる。市街化区域及び区域区分が定められていない都市計画区域には、都市施設のうち道路、公園、下水道を必ず定める
重要※地区計画:建築物の建築、土地の区画形質の変更等をしようとする者は、行為に着手する日の30日前までに、市町村長に届け出なければならない
●開発行為とは、主として建築物の建築、または特定工作物の建設の用に供する目的で行う、土地区画形質の変更をいう。
※第一種特定工作物:周辺地域の環境の悪化をもたらすおそれのある工作物
コンクリートプラント、アスファルトプラント、クラッシャープラント、危険物貯蔵庫等
※第二種特定工作物:大規模な工作物。
・ゴルフコース・1Ha(1000㎡)以上の野球場、庭球場、遊園地、動物園等
●小規模開発の例外(開発許可不要)
①市街化区域:1000㎡未満の開発行為
②区域区分の定めのない都市計画区域、準都市計画区域:3000㎡未満の開発行為
③都市計画区域及び準都市計画区域外:1Ha未満の開発行為
●開発許可申請に必要な書類等
※開発行為に関係のある公共施設については、その管理者と協議し、同意を得る。
※開発行為により設置される公共施設についえは、その管理者となる者と協議する。
●市街化区域の建築制限
※市街化区域のうち開発許可を受けた開発区域外の区域においては、都道府県知事の許可を受けなければ、建築物または第一種特定工作物を新築しまたは用途変更することはできない
🌸●重要
・地区計画:建築物の建築、土地の区画形質の変更をしようとする者は、行為に着手する日の30日前までに、市町村に届け出なければならない
2)建築基準法
●延べ面積が、1000㎡を超える建築物は、防火壁によって各区画の面積を1000㎡以内とするよう区画しなければならない。ただし、耐火建築物、準耐火建築物または主要構造部が不燃材料で造られた建築物等の一定の場合は、防火壁によって区画する必要はない
●高さ20mを超える建築物には避雷設備を設置する
●高さ31mを超える建築物には非常用の昇降機が必要
●道路とは幅員4m以上(例外:2項道路とは、幅員4m未満の道路で、特定行政庁が指定したものは、道路とみなす)
※道路に関する規制
・接道義務:①建築物の敷地は、道路に2m以上接していなければならない。
②例外)その敷地の周囲に広い空き地がある建築物等で、特定行政庁が交通上、安全上及び衛生上支障がないものと認めて建築審査会の同意を得て許可したもの。
●商業地域の建蔽率は10分の8
●建蔽率=建築面積÷敷地面積
●容積率=延べ面積=敷地面積
●前面道路の幅員が12m以上の場合、指定容積率がそのまま適応される
●防火地域以内の制限:3階以上の建築物、または延べ面積が100㎡を超える建築物は耐火建築物にしなければならない。
●準防火地域内の制限:4階以上の建築物、または延べ面積が1,500㎡を超える建築物は耐火建築物にしなければならない。
●過半主義:建築物の敷地が異なる用途地域にわたる場合は、その敷地の全部について、敷地の過半が属する用途地域の規制に服します。
3)国土利用計画法
●土地等の売買契約を締結した場合、契約締結後2週間以内に事後届出をしなければならない
①市街化区域:2,000㎡以上
②市街化区域を除く都市計画区域:5,000㎡以上
③都市計画区域以外(準都市計画区域を含む):10,000㎡以上
※届出をすべき事項:①取得後の土地の利用目的②対価額、その他
●届出を要する取引:①売買・交換②売買の予約③地上権・賃借権の移転・設定
●届出を要しない取引:①贈与②抵当権の設定③相続・遺贈・遺産分割
●事前届け出が必要な区域:注視区域、監視区域
●事後届け出が必要な区域:指定のない区域における土地取引
●許可制:規制区域
※土地の相続は事後届け出不要(土地の売買契約にあたらない)
※当事者の一方または双方が国や地方公共団体等である場合、事後届け出不要。
※事後届け出内容:土地の利用目的のみで、対価の額は不要。
4)農地法
●農地法の規制対象となるのは、農地と採草放牧地
●農地であるか否かは、客観的事実状態で(現況)で判断する
●3条許可(権利移動):許可権者(農業委員会)
・市街化区域内の特則(なし)
※農地→農地
※採草放牧地→採草放牧地
※採草放牧地→農地
●4条許可(転用)
※許可権者(原則、都道府県知事。例外)農林水産大臣:4ha超の場合は農業委員会)
※農地→農地以外
・市街化区域内の特則(農業委員会へ届出)
●5条許可(転用目的の権利移動)
※許可権者(原則、都道府県知事。例外)農林水産大臣:4ha超の場合は農業委員会)
・市街化区域内の特則(農業委員会へ届出)
5)土地区画整理法
●土地区画整理事業は、減歩と換地という手法によって行われる。
※減歩とは宅地の所有者からその宅地の一部を一定の割合で、無償で提供してもることをいいます。
※換地とは施工前の宅地に代えて、施工後の宅地を交付することをいいます。
●施行者
①個人
②土地区画整理組合
③区画整理会社
④公的機関の施行
重要
🌸土地区画整理組合の設立
・組合は7人以上共同して定款等を作成し、都道府県知事の許可を受けて成立し、法人となる。
・組合は、設立の許可を受ける場合、施行区域内の宅地の所有者等の一定の同意を得なければならず、許可後の施行区域内の宅地の所有者は、全て組合員となる。
・組合は、その事業に要する経費に充てるため、賦課金として組合員(参加組合員以外)に対して金銭を賦課徴収することができる。
・組合員は、賦課金の納付について、相殺をもって組合に対抗することができない。
●仮換地
6)宅地造成規制法
🌸重要🌸
許可を要する行為(規制区域内で行う造成工事)
※申請=造成主
※申請時期=工事着手前
※許可権者=都道府県知事
・宅地以外を宅地にするため、または宅地においてする(宅地以外にするものを除く)土地の形質の変更で次のいずれかに該当するもの
①高さ2mを超える崖が生じる切土
②高さ1mを超える崖が生じる盛土
③切土と盛土を同時にする場合、2mを超える崖が生じる場合
④切土、盛土をする土地の面積が500㎡を超える場合
●造成宅地防災区域
※規制区域以外で、既存の宅地等の安全確保の対策を行うために指定されるもので、宅地造成工事規制区域内の土地を除く。
●宅地造成工事規制区域
※主として新規の宅地造成での災害防止
7)その他の諸法令
●許可権者=原則、都道府県知事
例外)
①自然公園法=国立公園(環境大臣の許可)・国定公園(都道府県知事の許可)
②文化財保護法=文化庁長官の許可
③道路法、河川法、海岸法、湾港法=管理者の許可
④生産緑地法=市町村長の許可
⑤土壌汚染対策法=都道府県知事への届出
税、その他
1)不動産取得税
※不動産取得税は、取得した不動産が所在する都道府県が課します。
都道県は不動産を取得した者に対して納税通知書を送付します。
このよな納税方法を普通徴収と呼びます。
・免税点
※土地の取得=10万円
※建築(新築・増改築)による家屋の取得=23万円
※その他(売買・交換・贈与等)による家屋の取得=12万円
2)固定資産税は、毎年1月1日現在の土地、家屋等の保有者に課せられます。
市町村に収めます。
・税率
※住宅と土地については、100分の3、それ以外のもの(店舗、事務所)については100分の4となります。
・不動産の譲渡所得
①長期譲渡所得=税率15%
※譲渡した年の1月1日現在で、所有期間が5年を超える場合。
②短期譲渡所得=税率30%
※譲渡した年の1月1日現在で、所有期間が5年以内の場合。
・譲渡所得の特別控除
※居住用財産の3000万円特別控除(・親族等に対する譲渡でないこと・前年、前々年に適用を受けていないこと・買換え特例、住宅ローン控除の適用を受けていないこと・居住しなくなってから3年を経過する日の属する年の12月31日までの譲渡であること。)
※収容等の特別控除5000万円
●居住用財産の買換え特例
※譲渡資産=所有期間が10年超で、かつ、居住期間が10年以上のも
・譲渡金額が1億5000万円以下あること・居住しなくなった日以降3年経過後の12月31日までに譲渡したものであること。
※買換資産=譲渡資産の譲渡の前年1月1日~譲渡の翌年12月31日の間の取得であること。
・家屋の床面積50㎡以上、土地(敷地)の面積500㎡以下
3)所得税
4)登録免許税
5)印紙税
その他
6)不動産鑑定評価基準
※不動産鑑定士が不動産の鑑定評価を行う際に拠り所とする統一的基準をいいますが、鑑定評価において求められる価格は、4つあります。
①正常価格:市場性を有する不動産について現実の社会経済情勢の下で合理的と考えられる条件を満たす市場で成立するであろう市場価値を表示する適正な価格。
②限定価格:不動産の併合または分割によって、正常価格と同一の市場概念の下において形成されるであろう市場価格と乖離することにより、市場が相対的に限定される場合における価格。
③特定価格:市場性を有する不動産について、法令等による社会的要請 を背景とする評価目的の下で、正常価格の前提となる諸条件を満たさない場合における不動産の経済 価値を適正に表示する価格。
④特殊価格:文化財等の一般的に市場性を有しない不動産について、その利用現況等を前提とした不動産の経済価値を適正に表示する価格。
◎【鑑定評価法】
①原価法:価格時点における対象不動産の再調達原価を求め、この再調達原価について減価修正を行って対象不動産の試算価格を求める手法である
②取引事例比較法:取引事例情報を元に対象不動産の試算価格を求める方法です。
③収益還元法:不動産の収益性に着目して、その不動産から将来得られるべき価値を現在価値に割引して評価する。さらに直接還元法とDCF法に分けられる。
・直接還元法は、1期間の純収益を還元利回りで還元して価格を求めるものである。
・DCF法は、連続する複数の期間の純収益(家賃等)と復帰価格(将来の転売価格等)を現在価値に割引し、合計して価格を求めるものである。手法は緻密であるが将来の収入・支出の額・時期や復帰価格を予測する精度が評価額に大きく反映されるので、予測の精度を上げることや予測の根拠が重要である
7)地価公示法
土地鑑定委員会が、毎年1月1日時点における標準地の正常な価格を3月に公示するものであり、一般の土地の取引価格に対して指標を与え、公共用地の取得価格の算定に資するとともに、不動産鑑定士等が土地についての鑑定評価を行う場合の規準等となることにより、適正な地価の形成に寄与することを目的としています。
【免除科目】
8)土地
※等高線:地形図で見ると、地表面の傾斜が急な土地では、等高線の間隔は蜜になっているのに対して、傾斜が緩やかな土地では等高線の間隔は疎となっています。
※凸凹な地盤に土を盛ることを盛土、山などを切り突ことを切土といい、盛土や切土によって人工的に形成された傾斜のことをのり面といいます。
切土部と盛土部にまたがる区域では、地盤強度が異なるため、沈下量の違いにより、不動沈下が生じやすくなります。
※地すべり地
※がけ崩れ・崩壊跡地・土石流
※断層
※含水
※扇状地とは、山地から河川により運ばれてきた土砂・砂礫等が堆積した地盤です。
山地から平野部の出口で、勾配が急に緩やかになる所に見られ、等高線は谷の出口を頂点とする同心円状になる、扇状の地形です。
※丘陵・段丘・台地
丘陵・段丘は地表面が比較的平坦であり、地下水位が比較的深い地盤となっています。段丘がみずはけが良く、地番が安定してしている場合が多くみられます。
台地は、一般的に水はけがよく地盤が安定しています。
※谷底平野は傾斜がかんり急な山にその周辺を囲まれています。
小川や水路が見られます。長期の雨や豪雨によっては、洪水災害を受ける可能性が高くなっています。
※自然堤防・後背地(後背湿地)
・自然堤防は宅地として良好です。
・後背低地は洪水などの水害で地盤沈下などがおきやすくなっています。
※干拓地
・干拓地は、海や湖沼んどを干拓して造成した土地で地盤が軟弱で排水も悪いため、地盤沈下や液状化が起こりやすくなっています。
※液状化は、主に同じ成分や同じ大きさの砂からなる土が、地下水で満たされている場合に発生しやすくなります。
9)建物
※木質構造
・地震や火災には弱い
・木質方法
①在来方法といわれる軸組工法
②ツーバイフォーと呼ばれる、枠組壁工法
※鉄骨構造
①ブレース構造とは、「ブレース構造」とは、骨組みにブレースを配し、風や地震などの水平力を抵抗させる構造のこと。 筋交構造になっており、柱と梁に囲まれた面に斜めに材を渡すことで水平力に耐えるようにしたものである。
②トラス構造とは、複数の三角形による骨組構造のことであり、結合部である「節点」はボルトやピンなどで結合されています。
③ラーメン構造とは、構造の種類のひとつで、垂直方向の「柱」と、水平方向で柱をつなぐ「梁」によって建物全体を支える構造のことです。
※鉄筋コンクリート構造
・鉄筋は引張力に弱く、また、熱にも弱い。錆びやすい。
・鉄筋コンクリート造りの柱は、主筋4本以上とし、また、主筋と帯筋は緊結しなければなりません。
※鉄筋コンクリート構造の特徴
①耐火、耐久性が大きい。
②耐震性が強い
※基礎
①直接基礎にはフーチング基礎とべた基礎があります。
フーチング基礎は独立基礎または布基礎の場合に用いられます。
・直接基礎の中ではべた基礎が最も支持力が強い。
10)住宅金融支援機構法
【主な業務】
①証券化支援業務
・独立行政法人住宅金融支援機構(機構)は、民間の金融機関を具体的に支援する「証券化支援業務」によって銀行によるスムーズな貸付けを、側面から支援しています。
②住宅情報提供業務
③住宅融資保険業務
④団体信用生命保険業務
⑤直接融資業務
⑥債権回収業務
11)不当景品類及び不当表示防止法
※公正競争規約
・新築とは、建築後1年未満で、かつ、住居の用に供されたことがないという意味で用いること。
・徒歩所要時間:道路距離80mを1分とし、1分未満は1分と計算する。
・高圧電線路下の土地:土地が高圧路線下にあるとき、その旨及びそのおおむねの面積を表示しなければならない。
・急傾斜地:傾斜地の割合が面積の30%以上を占める場合(マンション及び別荘地は除く)は、傾斜地を含む旨及び傾斜地の割合または面積を明示すること。ただし、傾斜地の割合が30%以上を占めるか否かにかかわらず、傾斜地を含むことにより、当該土地の有効な利用が著しく阻害される場合(マンションを除く)は、その旨及び傾斜地の割合または面積を明示する。
12)統計